可笑しさで世界をすこしだけ拡げる出版レーベル〈代わりに読む人〉から新しい文芸雑誌『代わりに読む人』を刊行します。「読む」ことを通じた思いもよらぬ隣人や異界との出会いを生み、読む/書く人たちの試行錯誤の場となる「公園」を目指します。
『代わりに読む人0 創刊準備号』では、特集テーマも「準備」とし、有名、無名の分け隔てなく、文芸・アート・科学・実務などの分野から、次の作品を読みたい、広く読まれてほしいと感じる人たちに、「準備」から想起された小説・エッセイ・漫画などを執筆していただきました。
連載・小特集は「これから読む後藤明生」とし、今年生誕90周年を迎えた小説家・後藤明生について初心者からファン、批評家・怪談作家まで様々な人たちに寄稿いただいています。
「2021年に読んだ本」では、執筆者に2021年に読んだ本を紹介してもらっています。どなたかの作品を目当てに手に取ってみたら、まったく予想もしなかった隣の作品・作者と出会い、関心が広がったというようなことを期待して編集しています。
【目次】
◎特集「準備」
二見さわや歌……行商日記
陳詩遠……………解凍されゆく自身とジュネーブ近郊の地下で起こっている乱痴気騒ぎについて
小山田浩子………バカンス
伏見瞬……………準備の準備のために、あるいはなぜ私が「蓮實重彥論」を書くことになったか
田巻秀敏…………『貨物船で太平洋を渡る』とそれからのこと
オルタナ旧市街…完璧な想像(ポートオーソリティ・バスターミナルで起こったこと)
近藤聡乃…………ただ暮らす
橋本義武…………準備の学としての数学
わかしょ文庫……八ツ柳商事の最終営業日
柿内正午…………会社員の準備
海乃凧……………身支度
太田靖久…………××××××
佐川恭一…………ア・リーン・アンド・イーヴル・モブ・オブ・ムーンカラード・ハウンズの大会
鎌田裕樹…………オチがない人生のための過不足ない準備
毛利悠子…………思いつき
友田とん…………雑誌の準備、準備としての雑誌
◎「2021年に読んだ本」
近藤聡乃/太田靖久/佐川恭一田巻秀敏/柿内正午/蛙坂須美/小山田浩子/二見さわや歌/オルタナ旧市街/伏見瞬/東條慎生/海乃凧/陳詩遠/鎌田裕樹/わかしょ文庫/haco/友田とん/コバヤシタケシ
◎連載・小特集「これから読む後藤明生」
haco………………日常と非日常の境界線
蛙坂須美…………後藤明生と幽霊 ──『雨月物語』『雨月物語紀行』を読む
東條慎生…………見ることの政治性 ——なぜ後藤明生は政治的に見えないのか?
友田とん…………後藤明生が気になって
◎コバヤシタケシ…………dessin (1)
◎執筆者略歴
◎編集後記
◆装画・挿画・ロゴ◆
佐貫絢郁
◆制作◆
装幀・コバヤシタケシ
組版・飯村大樹
校正・サワラギ校正部
印刷製本・シナノ印刷株式会社
代わりに読む人0 創刊準備号
四六判並製本(一部カラー)
発行者 代わりに読む人
発売日 2022年6月10日