*12月16日開催の歌集読書会の課題図書です。詳細は以下URLをご覧ください。
https://brewbooks.net/?p=16219
ずっと神の救いを待ってるんですがちゃんとオーダー通ってますか
第一歌集『もうちょっと生きる』から3年。現代短歌界のダークホースとしてただならぬ存在感を放つ著者、待望の第二歌集。笑いと絶望のはざまで踊る226首。
顔の見えない〈私たち〉が、それでもなおリアルに「語り」続ける。
この歌集は紛れもなく現代短歌の先端にある。ー山田航
〈収録短歌より〉
生活を組み立てたいが手元にはおがくずみたいなパーツしかない
心にも管理人のおじさんがいて水を撒いたり撒かなかったり
正義と悪みあってみあってはっけよいのこったのこった観客の勝ち
1杯目を飲む決断は僕がした2杯目以降は別人がした
ぼろぼろの単語帳めくる少年よ頑張れ俺はもう頑張れない
気を付けろ俺は真顔のふりをしてマスクの下で笑っているぞ
あなたとは民事・刑事の双方で最高裁まで愛し合いたい
店員に小銭を投げるおじいちゃん それを見て惚れ直すおばあちゃん
入口じゃないところから入ったがもう出口だから許しておくれ
三田三郎(みた・さぶろう)
一九九〇年、兵庫県生まれ。「ぱんたれい」「西瓜」同人。二〇一八年に第一歌集『もうちょっと生きる』(風詠社)刊行。本書が第二歌集となる。
出版社 : 左右社
発売日 : 2021/9/7
単行本 : 152ページ
寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm